機器内回路Ⅰ
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機器に必要な回路は、電子・電気部品と、これらを接続する配線から構成されます。配線は、電線であったり、プリント基板(P基板)であったりします。
部品と部品を繋げば、図面上の回路図は出来ますが、確実に安定して動作するとは限りません。
このページでは、回路を構成する部品選定から、回路の形成方法までを、ベーシックな部分を中心に参考情報を提供します。
[ 項 目 ] 1) 部品選定
2) 接点信号入力回路
3) レベルシフト回路
1) 部品選定
➊ ディレーティング
電子・電気部品(以下、部品)は使用条件に対して、定格に余裕があるものを選定す
る。
部品定格に対して余裕のない条件での使用は、製品寿命・信頼性を損なうことになる。
定格に対しての余裕度(ディレーティング)は、部品の種類によるが、50%以下を目安に、限
度70%以下となる様にする。
➋ 要注意部品
部品は、適材適所とすべきであり、用法を誤るとクレームの元凶となる。
下表に、注意すべき部品の例を示す。これ以外にも問題となる部品があると思われ
るので、メーカの提供情報等のウォッチが必要である。
2) 接点信号入力回路
機器内回路で、スイッチなどの接点信号を回路に入力する場合の留意点を示します。
① スイッチ、リレーなどの接点信号を入力する場合、常時は接点が開放状態で使用する。
接点の接触不良が一時的に発生しても、動作が異常状態とならないようにす
る。
短絡ソケットによる設定回路においても、通常時を開放状態で使用する。特に重要な
部分には、ハンダブリッジ端子を利用する。
② 接触不良が発生しても、スイッチ
状態を安定出力する回路例を
右に示す。
SW : 微小電流用
R1・R2 : 接点に1mA程度
を流す。
R3・R4 : IC保護用。
③ 上記の回路は、押ボタンスイッチ信号のチャタリング防止にも適用でる。
Nand Gate でなく、D-Type Flip Flop にても同様の回路が構成出来る。
3) レベルシフト回路
回路素子(以下、IC)の低電圧化が進み、且つ混在している状況において、回路を形成
するにあたって、IC間のLogic Level Converter (レベルシフト回路) は避けられない。
ICの定格に基づき、適正に接続しないと安定した動作は期待できない。
以下に、基本的な条件と、+3.3Vと+5V間のレベルシフト回路例を示す。
回路例は、実験室にある部品を使用した簡易的なものであるので、製品化について
は、専用ICを検討することなどが必要。
➊ 基本的条件
出力側、入力側とも、トレランス機能の有無で定格が異なるので、データーシートをよく確認
する。
➋ +3.3V → +5V 変換例
回路例 1
電圧レベル
回路例 2
電圧レベル
➌ +5V → +3.3V 変換例
回路例 1
HC4050の入力電圧MAXは、18Vであり、+5V回路から直接入力することは出来
るが、テスト回路での入力電圧を確認するために、レベル変換を行っている。
電圧レベル
HC07は、トレランス機能がないので、+3.3V → +5V変換では、この回路例は使用
出来ない。(LCX07は、トレランス機能あり。)
回路例 2
HC4050の入力電圧MAXは、18Vであり、+5V回路から直接入力することは出来
るが、テスト回路での入力電圧を確認するために、レベル変換を行っている。
電圧レベル
回路例 3
HC4050の入力電圧MAXは、18Vであり、+5V回路から直接入力することは出来
るが、テスト回路での入力電圧を確認するために、レベル変換を行っている。
電圧レベル